紫外線を浴びるだけで活性酸素が発生

肌の老化の最大の原因は加齢によるものと考えられがちですが、実際には紫外線を浴びることによる“光老化”が肌の老化の80%以上を占めています。光を受ける時間が長い顔から首にできるのが光老化によるシワで、加齢によってできるのは背中や腰、腹などのシワとなっています。
紫外線を浴びると皮膚(表皮)で多量の活性酸素が発生します。紫外線は英語ではウルトラバイオレット(Ultra Violet)といいますが、これは可視光線の紫の外側にあり、目で見ることができない波長を指しています。
紫外線にはUVA(長波長紫外線)、UVB(中波長紫外線)、UVC(短波長紫外線)があり、波長はUVAが320〜400nm(ナノメートル)、UVBが280〜320nm、UVCが200〜280nmとなっています。UVCの波長は大気のオゾン層に吸収されるために地上には到達していません。
UVBはほとんどが表皮にとどまり、皮膚を黒く日焼けをさせたり、赤く炎症を起こす紫外線となっています。表皮を強く刺激することから、皮膚がんの原因ともなっています。紫外線ケアのUV化粧品で防ぐことができる紫外線で、SPF指数が高いものほど防御作用が高くなっています。UVBは表皮の小ジワを作る原因ともなっています。
UVAは表皮だけでなく真皮まで届く性質があり、色素のメラノサイトを活性化させることでシミの原因となると同時に、真皮で皮膚の弾力を保つ役割をするコラーゲンやエラスチンを変性させてシワの原因となっています。表皮の小ジワではなく、できたら消えにくい大きなシワを作る原因となっています。UV化粧品のUVAの防御作用はPAで表されています。
紫外線によって発生する活性酸素は一重項酸素で、活性酸素の中でも特に毒性が強いタイプとなっています。一重項酸素は表皮の細胞の細胞膜を酸化させて、過酸化脂質を発生させていきます。この過酸化脂質が、表皮に炎症を起こすとともに、表皮細胞の代謝を低下させて皮膚の老化を進めていくようになるのです。