専門馬鹿にならないために蓄積を活用したい

表現はよくないのですが、“専門馬鹿”という言葉があります。限られた分野のことには精通しているものの、それ以外の知識や社会的常識が欠けていることを指しています。私たちが追求している健康の世界は、例えば医師の言うことが最も正しいように判断されがちですが、専門分野以外では、案外と誤ったことを伝えているのはメディアに登場する先生方を見ていても感じさせられることです。
以前に医学系大学で栄養学が学べるのは3分の1ほどでしかなくて、卒業してから別の機会に学ぶか、我流で栄養学を身につけるしかない、というようなことを紹介したことがあります。非常に頭がよい方々なので、一生懸命に勉強して管理栄養士にも負けない知識を得られている方々がいるのは事実です。日本臨床栄養学会、日本臨床栄養協会は、そのような場を提供しています。
医学的に正しいことで、栄養学的にも正しいとしても、健康づくりには多くの要素が必要で、運動としての見地も休養としての見地も必要です。日本人は欧米人や大陸系のアジア人とも異なる体質があり、世界的に正しいことであっても日本人には通用しないこともあります。そこをクリアしたとしても、指導が通じない人もいます。日本メディカルダイエット支援機構は発達障害の人のための栄養学を研究していく中で、これまでなら常識として話して、そのとおりにしてください、と言えたことが、まったく通じないことがあることもわかりました。それでも通じるようにアレンジすることも進めてきました。
日本メディカルダイエット支援機構は臨床栄養、運動科学、薬学、生理学などの専門家と連携した健康科学情報センターと、メディアで活躍する専門家やジャーナリストなどが集う健康ペンクラブの事業を取りまとめる組織としてスタートしました。そのときから研究内容も発信情報も健康に関わるのは同じでも、切り口も検討方法も多岐にわたっていて、ときにはまとまりがつかないような状況の中でも、健康づくりに役立てられることだけを願って活動してきました。
支援機構の理事長は著作権、使用権などがあるコンテンツが数多くあり、今でもリサーチ結果を蓄積しています。これらは使わなければ“ゴミになる”可能性があるもので、活かしたいという方々には使えるような形にして提供しています。