新型コロナウイルス対策のロックダウンを考える

新型コロナウイルスの感染拡大が爆発的な段階まで来たということで、一都三県に緊急事態宣言が発令されました。これまでの対策の中心は3密を避けることで、密集・密接・密閉にならないようにソーシャルディスタンスを保つことによって感染を防ごうという戦略を続けてきた結果が、飲食店は飲酒・接待の有無に限らず20時で閉店、20時以降は外出自粛という経済活動を抑え込むという業界によってはとどめを刺すような事態です。
業界によっては、ということは他の業界では死を意味しない、かえってプラスになるところもあるという意味で使われていますが、自宅にいる時間が長くなるほどスーパーマーケットなどの購入量が増える、通販での購入が増えるということが対比としてあげられています。しかし、これは収入があってのことで、社会経済が全体的に低下していけば、徐々に先細りしていくのは当たり前のように気がつくことです。
今回の飲食店への締めつけのような感染対策は、「飲食業界のロックダウンのようなものだ」と言っている関係者も少なくありません。ロックダウンは中国・武漢で実施された、イギリスで実施されている都市封鎖のことです。都市は封鎖しないものの、その都市の機能の一部を封鎖するということで、感染拡大の元凶とされている(だろう)飲食店を封鎖するというのは考えられることですが、その前段階として営業時間の極端な短縮、飲食業の中でも特に危険と考えられる業種に限っての営業禁止という段階まで来ているということです。
ロックダウンの前段階としては、サーキットブレーカー方式があげられます。これは過電流が流れたときに作動するブレーカーが一つの建物の電気を遮断するのと同じように、感染が拡大している地域に限ってロックダウンするという方法です。一時期、その機運が高まっているというので新宿・歌舞伎町の接待を伴う飲食店が業界をあげて検査を受けたことが思い出されます。
こんなことにならないための緊急事態宣言の対策ですが、3密回避は感染予防の第二段階の感染経路対策で、その前の第一段階の感染源対策(病原体の除去、感染者の早期発見・隔離・治療)が万全にされているのかというと、そうではないことは明らかです。