朝食では脳の唯一のエネルギー源摂取が重要だ

朝食を食べなければならない大きな理由としてあげられているのが、ブドウ糖の補給です。ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源であり、脳の中には15時間ほどしか充分には保たれません。これは12時間ごとに食事をしていたことから身体に備わった仕組みといえます。ブドウ糖は余分になるとグリコーゲンとなって肝臓や筋肉の中に蓄積され、血液中で不足したときには分解されてブドウ糖が血液中に放出される仕組みになっています。
その分解されたブドウ糖は脳に余計なものを入れないためにある血管脳関門を通過しにくく、朝食を抜くと夕食から昼食までの時間が17時間ほどになるので、ブドウ糖が不足することになります。だから、朝食代わりにするエネルギーバーなとど活用する場合には、ブドウ糖もしくはブドウ糖が含まれる糖質が得られるものを選ぶ必要があります。
ブドウ糖不足を補うものとしてケトン体が注目されています。ケトン体は血液中のブドウ糖が大きく不足したときに脂肪が分解されて肝臓で作られるもので、血管脳関門を通過して脳内に入り、エネルギーとして使われます。つまり、ブドウ糖の代わりになるもので、ケトン体があれば脳の機能は低下しないとされています。しかし、ケトン体が作られるのはエネルギー不足になった危機的状態になったときで、常に作り出されてよいものではありません。また、ケトン体は酸性で、体臭や口臭がきつくなるという弱点があげられていますが、それ以上の難点として血液中に増えることによって血管にダメージを与えることが指摘されています。
もう少しケトン体について説明すると、アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酢酸の3種類の物質の総称で、脂肪酸とアミノ酸の不完全代謝物として肝臓で作られます。脳内でブドウ糖が優先的に使われ、ブドウ糖が不足したときにケトン体がエネルギー源になります。ケトン体が血液中で増えすぎた状態はケトーシスと呼ばれますが、ケトン体を排泄するために水分の排出量が増え、脱水症状になることも指摘されているのです。