朝食抜きの人のための栄養対応

1日に三食を食べることは食事の基本となっています。人類の歴史を見ると、朝食と夕食を食べて、その間に空腹を感じたときには少しだけ食べるという二食の時代はヨーロッパにも日本にもありましたが、少なくとも朝食を抜くことはありませんでした。こういった生活をしてきたことから、エネルギー代謝に必要なビタミンB群のうち短時間しか体内で保持されないビタミンB₆とビタミンB₁₂は12時間ほど保たれるようになっています。
12時間を超えて、これらのビタミンB群を摂らないようなことはあってはならないわけですが、朝食を食べていない人は少なくありません。国民健康・栄養調査(平成29年)によると、朝食の欠食率は男性が15.0%、女性が10.2%で、20代では男性が30.6%、女性が23.6%となっています。欠食というのは、まったく食べない、飲み物だけという人だけではなく、菓子や果物、ゼリー食やサプリメントだけという人も含まれています。
菓子(スイーツ)や果物(フルーツ)のみという人は、男性では20代で12.3%、30代で12.7%、40代で13.9%とかなり多く、30代、40代では何も食べない人よりも多くなっています。女性では20代で9.5%、30代で8.8%、40代で11.4%と、こちらは各年代ともに半分以上の数となっています。女性の場合には10%前後が朝食に菓子か果物を食べるだけという現状となっています。
スイーツとフルーツに、代謝に必要なビタミンB群が充分に含まれていれば、これでもよいと考えることができるでしょうが、実際には含まれていてもフルーツでは量が少なく、スイーツは穀類や豆類が原材料となっているものでも充分な量とはなっていません。エネルギーバーやパワーバーと呼ばれる食事代わりとして食べられている菓子類やゼリー飲料は、ビタミンB群などの必要な栄養素が加えられています。これもスイーツの種類のうちと考えれば、朝食代わりとして活用することができるということです。