治検7 糖尿病予備群の考え方

糖尿病と診断されるほどの高血糖状態ではないものの、血糖値が正常範囲よりも高い状態にある場合は糖尿病予備群と呼ばれます。

糖尿病の判定基準は、空腹時血糖値が110mg/dl以上126mg/dl未満、食後2時間の血糖値が140mg/dl以上200mg/dl未満の状態を指しています。

食後血糖値は、正確を期するために空腹時に75gのブドウ糖を経口摂取して2時間後に血糖値を測定するブドウ糖負荷試験が行われます。

糖尿病予備群というと血糖値が注目されがちです。血糖値は家庭用の計測装置も販売されていることから、血糖値が正常であれば安心してしまいがちですが、血糖値が食事や運動の内容で大きく変化することから、糖尿病も糖尿病予備群も、長期間の血糖値の平均を示すヘモグロビンA1cが採用されています。その数値は6.5%未満とされています。

国民健康・栄養調査では、糖尿病について「糖尿病が強く疑われる者」(糖尿病患者)と「糖尿病の可能性を否定できない者」(糖尿病予備群)とに分けています。
「糖尿病が強く疑われる者」はヘモグロビンA1cが6.5%以上、「糖尿病の可能性を否定できない者」はヘモグロビンA1cが6.0%以上、6.5%未満とされています。

糖尿予備群(境界型)の人は数年以内に糖尿病を発症する確率が高いことが統計的に明らかになっていることから、血糖値を降下させる効果がある食事療法、運動療法がすすめられます。

食事療法はブドウ糖が多く含まれる糖質(ご飯、パン、麺類)を制限するだけでなく、全体の摂取エネルギー量が血糖値に関係することから、脂肪が含まれる食品の摂取量も考慮する必要があります。

運動療法はウォーキングなどの有酸素運動がすすめられますが、ブドウ糖が多く消費されるのは歩き始めてから10〜15分くらいまでなので、血糖値を下げることが目的であるなら短時間のウォーキングを繰り返す方法がすすめられます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕