災い転じて“福は内”の発想

誰もが知っている諺(ことわざ)は「災い転じて福となす」ですが、今回のテーマの「災い転じて“福は内”」です。

「災い転じて福となす」は、災いがあっても偶然に良い結果になること、災いが契機となって良い状態に転じることを意味しています。そのときには悪い結果であったとしても、状況や一緒に取り組む人が変わると、一転して良い結果になることがあるので、悪いと思われるような出来事を嘆くのではなく、頑張って続けるとよいという意味で使われることもあります。

うまくいかないことがあると、頑張ってやったことが良くなかったのではないと考えてしまうこともあるかと思いますが、その頑張ったことがわからない人、評価できない人が悪いのであって、諦めることなく続けることの大切さを伝えるときにも「災い転じて福となす」が用いられます。

「災い転じて福となす」の由来は中国の“転禍為福”で、古代中国の戦国時代の逸話集『戦国策』に登場します。詳しいことは、今どきの便利ツールのネット検索で調べれば出てくるので、ここではポイントだけにしておきますが、「優れた人間は窮地に立ったときに、失敗を教訓にして成功をおさめるもの」ということが本来の意味です。

悪いことが良いことに転じるのを待つという消極的な態度ではなく、悪いときこそ転じるように積極的に動くことを示しています。といっても、悪い結果をもたらすような環境にいながら再チャレンジするのは大変な労力と、場合によっては無駄な努力にもなりかねません。

そこで立場や立ち位置を変えて、新たなことに挑戦して、悪い環境から脱して、良いことを呼び寄せるという考えをすることも大事になります。その姿勢を示したのが「災い転じて“福は内”」で、良いことが飛び込んでくるように願っての行動の大切さを伝えるときに話をするようにしています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕