理想実現のための代謝促進8 脂肪のエネルギー代謝

代謝を高めるというと、余分に蓄積された体脂肪を減らすような印象が抱かれがちです。代謝が低下すると、脂肪がエネルギー化されにくくなることから、余分なエネルギー源として脂肪細胞に蓄積されていきます。この脂肪細胞に蓄積された脂肪を減らすためには、エネルギー代謝を高めて、多くの脂肪を使うことが必要になります。

脂肪のエネルギー代謝は、細胞のエネルギー産生器官のミトコンドリアに脂肪酸を取り込み、ミトコンドリアでエネルギー源からエネルギー物質を作り出すTCA回路で行われています。

脂肪酸は脂肪の最小単位で、脂肪酸が3個つながったものが中性脂肪で、蓄積タイプの脂肪となっています。脂肪細胞の中の脂肪は中性脂肪で、食品に含まれている脂肪も中性脂肪となっています。

脂肪細胞の中の中性脂肪は、興奮作用があるアドレナリンが分泌されることによって脂肪酸に分解されます。食品に含まれる中性脂肪は胃で消化液によって分解されて、脂肪酸として吸収されます。

脂肪のエネルギー代謝は、細胞に取り込まれた脂肪酸がミトコンドリアに取り込まれるところから始まります。細胞に入った脂肪酸は自動的にミトコンドリアに入っていくわけではありません。脂肪酸は単体ではミトコンドリアの膜を通過することができなくて、トランスポーターと呼ばれる運搬役が必要になります。そのトランスポーターの役目をしているのはL‐カルニチンです。

そのような重要な役割をしているので、L‐カルニチンは肝臓で合成されています。合成されているものの、そのピークは20歳代前半で、それ以降は合成量が減り、体内の保持量も減っていきます。そのために、年齢を重ねるにつれて代謝が低下していき、同じ食事量、同じ運動量では体脂肪が増えていくことになるのです。

L‐カルニチンは、以前は体内合成が低いために代謝能力が低いカルニチン欠乏症に使われる医薬品の成分でしたが、今では食品の成分としても許可されています。そのおかげで、サプリメント成分として摂ることができるようになっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕