生活習慣病対策の言い訳

ラーメンを食べるときにコップの水を入れている人を見かけました。味が濃かったのかと思って聞いてみたところ、高血圧で塩辛いものを食べてはいけない、汁物の塩分も控えるように言われているので薄めているのだということ。それはわからないではないと思って、食べ方を気にしていたら、ラーメンの麺をすべて食べたあとに、スープもすべて飲んでしまいました。
塩辛いものを食べないように指導した医師か栄養士は高血圧対策にスープを残すように話さなかったのか、それとも指導を忘れてしまったのか、どちらかはわかりませんが、どんなに薄めてもスープを全部飲んだのでは水で薄めた意味がなくなってしまいます。
これでは公害の有害物質を水で薄めて、基準値以下にして流せば規制を逃れられるのと同じようなものです。
食事療法など面倒なことはやりたくない、少しでも楽な方法にしたいというのは当然の考えです。自分にとって都合のよいことだけを切り取って、あとは忘れる、無視するというのでは思うような結果が得られなくなるのは仕方がないことです。
生活習慣病の対策として食べすぎを防ぐために、ご飯の量を減らすことが指導されます。ご飯の量が多くはないかと女性に聞いたところ少ないとの返事だったのに血糖値が上昇した人がいました。よくよく聞いたら「夫よりも少ない」という返事で、体格からすると多く食べていたという人がいます。「茶碗八分目の量」にすることを指導された人が前よりも大きな茶碗にして八分目にした人がいます。これでは減らしたことになりません。
食事療法の指導をするときには、常識的な想像の範囲を超えた人もいるので、こんなことまで気を使わないと間違った判断をすることにもなります。