発達栄養学107 脂肪は太りやすいものの多くのエネルギーとなる

同じだけの量を食べているのに太るということがありますが、それは食品に含まれている脂肪の量が大きく関係しています。三大エネルギー源の糖質、脂質、たんぱく質はエネルギー量が違っていて、1gあたりで比較すると糖質は約4kcal、脂質は約9kcal、たんぱく質は約4kcalとなっています。脂質は糖質の2倍以上のエネルギー量となっているので、脂肪が多く含まれていると、食べた量に比べて太りやすくなるのは当然のことです。
太りやすい脂肪というと肉の脂肪が思い浮かべられますが、動物性の肉でも魚でも、植物性の食品(豆、種など)に含まれている脂肪も重量で比べればほぼ同じエネルギー量です。
食事で摂った三大エネルギー源のうち体内でエネルギーとならなかったものは、体内にエネルギーを溜め込むためのエネルギー源を作り出すために、肝臓で脂肪合成が起こります。糖質もたんぱく質も脂肪に合成されるということですが、脂質が脂肪に合成されるというとイメージしにくいかもしれません。食品に含まれる脂肪の多くは中性脂肪となっています。これは脂肪酸3個とグリセロール1個が結合したもので、脂肪細胞の中に蓄積されるのも中性脂肪です。
食品に含まれる中性脂肪が消化されるときにはグリセロールが外れて、脂肪酸とグリセロールが別々に小腸から吸収されます。そして、血液中に入って、肝臓に運ばれて中性脂肪に合成されます。
中性脂肪に合成されるのは、少ない容量で多くのエネルギーが蓄積できるからですが、脂肪細胞の中に中性脂肪が多く蓄積されるのは太るということでは避けたいことですが、活動のためのエネルギーを多く蓄積していることは、これを代謝させれば脳も身体も活性化できることになります。身体を動かすと、アドレナリンというホルモンが分泌されて脂肪細胞の中に蓄積されている中性脂肪が脂肪酸とグリセロールに分解されて、脂肪酸が血液中に放出されて、これが細胞に取り込まれてエネルギー源となっています。