発達栄養学116 野菜が食べられない子どもの対応3ビタミンの話1

食品を6群(グループ)に分けて考える手段がありますが、食品の役割として3群に分けられることもあります。それはエネルギー源となる食品、身体をつくるための食品、身体の調子を整えるための食品で、野菜は調子を整えるところに分類されています。エネルギー源としてはイモ類、身体をつくるものとしては豆類があげられていますが、これらは八百屋やスーパーマーケットの野菜売り場で販売されていても野菜には分類されていません。野菜は体調を整えるビタミン、ミネラルが豊富で、食物繊維も豊富に含まれています。
食事で摂らなければならない6大栄養素は糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維で、このうちの3種類が野菜には豊富に含まれています。そのため、健康維持のためには1日に野菜は350g(緑黄色野菜120g、淡色野菜230g)を食べることが推奨されています。これは成人の摂取量ですが、子どもは成長のために多くのエネルギーを作り出さなければならないことから、身体は小さくても成人と同様の量を摂ることがすすめられています。
ビタミンのうち4種類のビタミンB群(ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂)はエネルギー代謝によって生命維持と活動のために必要なエネルギーを細胞の中のミトコンドリアで作り出すために欠かせません。このうちビタミンB₁、ビタミンB₂は大豆や野菜に多く含まれています。ビタミンB₆は肉や魚に多いものの野菜からも摂ることができるのですが、ビタミンB₁₂だけは動物性食品にしか含まれないので、野菜だけ食べていれば大丈夫ということではありません。
肉や魚、卵から4種類のビタミンB群を摂ることは可能ではあっても、エネルギー量が多くなりすぎて太る原因にもなることから、エネルギー量が低めの大豆や野菜からも摂るようにしたいものです。