発達栄養学185 家庭、技術・家庭教科での食に関する指導・小学校5

文部科学省の「食に関する指導の手引」では教科ごとの食に関する指導を各論として掲載しています。ここでは家庭、技術・家庭の小学校の食に関連する内容を前回に続いて紹介します。
*伝統的な日常食である米飯、みそ汁については、和食の基本となるだしは、煮干しや昆布、かつお節などさまざまな材料からとることに触れ、例えば、だしをとって作ったみそ汁とだしをとらずに作ったみそ汁を比較し、だしの役割について話し合う活動を取り入れるなど、みそ汁にだしを使うことで風味が増すことを理解できるようにします。
*調理計画については、効率よく作業するために、調理の手順やグループでの協力の仕方、時間配分などについて問題を見いだし、課題を設定するようにします。さらに、学校での実習を家庭での実践として展開し、実生活で活用するためには、調理計画において、一人で調理する場合も考えることができるよう配慮します。
*実習の指導については、調理に用いる用具や食器の安全・衛生に留意する必要があります。特に、生の魚や肉については調理の基礎を学習していないので、衛生的な取扱いが難しいことから用いないようにします。また、児童の食物アレルギーに関する正確な情報を把握し、調理実習で扱う材料に食物アレルギーの原因となる物質を含む食品が含まれていないかなどを確認し、事故の防止に努めるようにします。
*体に必要な栄養素の種類とその主な働きについては、名称や働きを覚えることだけに重点を置くのではなく、体に必要な栄養素を食事によってとっていることに気づき、栄養を考えて食事をとることの大切さがわかるようにします。
*食品の栄養的な特徴については、グループに分けることについて、食品には複数の栄養素が含まれていることから、必ずしもいずれかのグループに厳密に分類しなくてもよい場合もあることに配慮します。例えば、日常の食事や学校給食に使われている食品、調理実習で使った食品を調べてグループ分けする活動などを通して、多数の食品を食べていることを実感したり、食品の栄養的な特徴を具体的に理解できるようにしたりする活動などが考えられます。