発達栄養講習7 自律神経調整の研究進展

人間の生活のリズムは自律神経によって整えられています。自律神経は呼吸、血液循環、体温調節、消化、吸収、排出、内臓の働き、免疫、生殖などの機能をコントロールするために24時間働き続けている神経系です。

昼間や活動しているときに活発に働く交感神経と、夜間やリラックスしているときに活発に働く副交感神経の2種類があって、身体の機能を調整しています。

自律神経は、環境や身体の状況に応じて、本人の意思とは無関係に自動的に働き、体内を常に最良の状態に保ち続けるための神経となっています。交感神経は脊髄の外側から出て、腹部に回って脊髄の両脇になる交感神経幹に入り、全身に分布して情報を伝えています。副交感神経は中脳や脊髄から全身に向かう神経の通り道と脳や脊髄に向かう神経の通り道があります。

自律神経の働きは波のように大きな強弱があり、交感神経の働きが盛んになっているときには副交感神経の働きが抑えられ、逆に副交感神経の働きが盛んになっているときには交感神経の働きが抑えられるという関係になっています。

自動車にたとえると、アクセルを踏み込んだときにはブレーキがかかりにくく、ブレーキを踏み込んだときにはアクセルが効かないようになるのと同じ関係性になっています。

交感神経と副交感神経の波に合わせて日常の社会生活のパターンが決められていて、自律神経の波に合わないことをすると生活に支障が出ることになります。身体を休めようとしている時間帯に運動をしたり、脳を強く使おうとしても思った以上の効果が出にくくなります。逆に、身体の活動が盛んなときに身体を休めようとしても思ったよりも疲労が取れないということになります。

この調整のリズムが乱れていると、学習をする昼間の時間帯に集中できない、勉強をすると非常に疲れるということになり、その逆に夕方以降に勉強の疲れを回復させようとしても興奮して心身ともに休めないということになってきます。

自律神経は消化、吸収、循環、代謝、排出という生命を維持していくために欠かせない部分を調整しているだけに、発達障害児にみられるように自律神経の調整が乱れていると生きていくための当たり前の機能が低下することにもなります。

逆にいうと、食事に関係する消化、吸収、排出という胃腸で起こっていることを調整することで、自律神経の働きを整えていくことができるようになります。これが整うことで集中力や改善能力を高めていくことができるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕