発達障害は男性のほうが圧倒的に多い

発達障害は脳の発達のズレであるとしたら、男女ともに同じような割合であってよいはずですが、文部科学省の調査によると男女差が大きく、女子を1とした場合には男子は2.4となっています。男子は女子の2.4倍も多いことは明らかにされているものの、なぜ男女差が、ここまで大きくなっているのかは明らかにはされていません。
発症確率でみると、男女平均では約10%とみられていますが、男子のほうは14%、女子のほうは5.8%となります。あくまで単純計算ですが、発達障害は一生涯続く気質のようなものだけに、この割合で大人になっても発達障害の、さまざまな状態が続き、そのために社会生活が通常どおりに送れないために苦しんでいる人が多いということです。
なぜ男性のほうが多いのかということに対して、これもあくまで仮説ですが、男性が多く生まれることが関係しているということが理由として考えられています。2019年4月現在の子どもの数は約1533万人で、男性が約785万人、女性が約748万人となっています。男性が約37万人も多く、女子を100とした場合の男子の割合は105となり、5%も男子が多くなっています。
生物学的にも男子(オス)は弱くて、成人まで生き残った状態で男女の割合が同じようになるように、男のほうが多く生まれるということが指摘されています。今は医学が進み、幼少時に亡くなる子どもが減ったことから、言葉としてはおかしいことは承知して使っていますが、本来なら死んでいた子どもが生き残っていたため、環境に耐えきれない子どもが増えてきているという考えです。
もう一つ生物学的に見ると、子どもを産み育てる女性のほうが対応力は強くて、社会的なストレスに心身ともに強いこともあげられています。子どもに限らず全般的なこととして、男性は右脳と左脳をバランスよく使うことが苦手で、右脳と左脳をつなぐ脳梁が大きい女性はバランスよく使って、脳に負担がかかりにくいこともあげられています。男子は弱いということを意識して、発達障害だけでなく、さまざまなケアに取り組まなければいけないということです。