発達障害支援11 応用行動分析による分析

応用行動分析は、行動を通じて他者を理解するための方法で、個人の行動は環境との相互作用によって生じるとの考えに基づいています。行動そのものに着目するのではなく、行動の機能(意味、理由など)に着目して、問題解決を図ることが特徴となっています。

応用行動分析では、増やしたい行動(指導目標)や減らしたい行動(問題行動)について、行動随伴性を分析することによって、問題行動が生じる理由、指導が進まない原因、問題行動を減らして指導目標を達成する方法について具体的な方法を確認することができるようになっています。

問題行動の前に、どのような状況(Antecedent)があり、どのような行動(Behavior)が起こり、どのような結果(Consequence)になったのかという流れで考えます。

このABCについては「先行刺激(Antecedent)→行動(Behavior)→後続刺激(Consequence)」が支援の基本となっています。先行刺激は「原因を分析するだけでなく、適切な行動が出やすい環境を作る」、行動は「苦手なところを確認して補うのではなく、得意とするところを見出し、そこに焦点を当てて支援する」、後続刺激は「適切な行動が少しでも現れたら、賞賛することで達成感を持たせる」という説明がされています。

この一連の流れは行動随伴性と呼ばれていて、その分析は、強化の随伴性と弱化の随伴性に大きく分けられます。

*強化の随伴性
行動随伴性は、行動の後によいことが起こること、行動の後に悪いことがなくなることによって、その行動が増えることを指しています。行動の結果によって行動が増えることは強化の随伴性と呼ばれます。

*弱化の随伴性
行動の後に悪いことが起こったり、行動の後によいことがなくなることを指しています。その行動が減ることは弱化の随伴性と呼ばれます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕