発達障害支援17 識字障害の特性

学習障害の書字障害は、文字を書いたり、文章を綴ったりすることに困難があるものを指します。

バランスの取れた文字を書くことに問題がある、書字に関して誤りが多い、動詞などがうまく使いこなせない、板書など書き写しの速度が極端に遅いもの、考えた内容で書字をすることが難しいものなどが含まれています。

識字障害があると書字にも影響が出て、書字障害となることが多く見られます。読むことに困難はなくても文字の形を捉えること、形を正しく覚えておくことが困難で、書字の誤りにつながります。

書字障害の具体的な特性としては、以下のことがあげられます。

*年相応の漢字を書くことができない

*書き順を間違える

*書き順を気にしない

*書き文字がマス目や行から大きくはみ出してしまう

*バランスのとれた文字を書くことが難しい

*アルファベットの綴りが困難

*文字を書くときに鏡文字を書く

*形態的に似た文字(“め”と“ぬ”、“わ”と“ね”)を書き間違える

*促音(っ)、撥音(ん)、二重母音(おかあさんの“かあ”)など特殊音節の誤りが多い

*“わ”と“は”、“お”と“を”にように耳で聞くと同じ音(おん)の表記に誤りが多い

*形態的に似た漢字(雷と雪)を書き間違える

*画数の多い漢字に誤りが多い

*漢字を使いたがらず、仮名で書くことが多い

*文字を書く際に余分な点や線を書いてしまう

*句読点などを忘れる

*文章を書くときに助詞などをうまく使いこなせない

*考えた内容を書いて表現することが難しい

*板書など書き写しの速度が極端に遅い

*早く書くと雑になる