糖尿病の糖化で活性酸素が発生する

血液中には、活動のためのエネルギー源になるブドウ糖が流れています。ブドウ糖は、食事で摂った糖質が分解されたもので、活動をしたときに細胞に取り込まれて、効率よくエネルギーとして使われています。血液中のブドウ糖は血糖と呼ばれます。糖尿病やダイエットで耳にすることがある血糖値というのは、血液中のブドウ糖の割合を示しています。血糖値が高ければブドウ糖の量が多く、低ければブドウ糖の量が少ないことになります。
血液中のブドウ糖が多くなったときには、膵臓からインスリンが分泌されて、インスリンの働きによって細胞にブドウ糖が取り込まれるので、通常では血糖値が上昇しすぎないようになっています。それに対して、食事でのブドウ糖が含まれる糖質が少ないか、運動などによってブドウ糖が多く使われたときには筋肉や肝臓の中に蓄積されているグリコーゲンが分解されてブドウ糖となり、血液中に放出されて一定の割合に血糖値が保たれるようになっています。
ところが、血液中のブドウ糖の量が過剰に多くなり、高血糖状態になったときには、処理しきれずにブドウ糖の一部が赤血球と結びつく糖化が起こり、血液中に糖化タンパクができるようになります。赤血球の酸素を運搬するヘモグロビンはブドウ糖が多い状態ではブドウ糖と結びついて糖化によってヘモグロビンA1cに変化します。この変化するときに活性酸素が多量に発生します。
また、糖尿病では高血糖の影響によって血管の細胞にブドウ糖が浸透するようになり、浸透したブドウ糖は糖アルコールに変化します。細胞は水分量が一定のときに正常な代謝が行われます。ところが、糖アルコールが多くなった細胞は新陳代謝が正常に行われなくなるため、高血糖状態では血管の再生が遅れて、弾力性が徐々に失われていくようになります。そのため血流が低下することになり、血流が再び戻るときに活性酸素が多量に発生するようになります。
代謝が低下するということは、エネルギーを作り出す能力に対してエネルギー源の量が多くなりすぎることになり、それが細胞内での不完全燃焼を起こすことになり、さらに活性酸素が多く発生するようになるということです。