羊肉なら太りにくいのか

羊肉にはL‐カルニチンが豊富に含まれているので、「肉を食べても太らない」と言われてきました。もちろん、肉であるので脂肪が多く含まれていて、エネルギー量も高いのですが、L‐カルニチンは脂肪酸と結びついて細胞のミトコンドリアに取り込む働きがあり、ミトコンドリア内のTCA回路でエネルギー代謝が盛んに起こるので、いわゆる燃焼によって脂肪が減っていきます。
それを信じて羊肉を食べたのに、太ったという人は少なくありません。これは食べすぎのせいなのかというと、そうとばかりは言えません。同じくらいの羊肉を食べていた人で比較しても、太りやすい人と太りにくい人がいました。これをもって、体質の問題にしたり、代謝の違いの問題にしている人もいますが、よくよく調べたら、食べていた羊肉の種類が違っていたということがあります。
羊肉というと、ラムとマトンに大きく分けられます。このほかにラムとマトンの中間的な食感と味のサフォークもありますが、飼育数が少なくて価格も高いので、一般向けの分類には加えていません。
マトンは生後1年以上の羊で、一般には2年以上の大人の羊が出回っています。特有の匂いがあり、ラムに比べたら硬さもあるので、ラムを好む人も多く、中でも女性はラム派が主流となっています。味と軟らかの利点があり、それにL‐カルニチンのダイエット効果の話が加わると、ついつい食べる量が増えるようになるのもわからないではありません。
これが羊肉なのに太る要因となっています。というのは、ラムは100g当たりL‐カルニチンは80mgが含まれていますが、マトンの208mgに比べると半分以下の量でしかありません。L‐カルニチンは含有量が多いほど脂肪の代謝が高まることがわかっているので、同じ量だったらマトンを食べたほうがダイエットに効果があるということが言えるわけです。
ラムはL‐カルニチンの含有量が少ないといっても、他の肉類よりは多くて、牛肉(ヒレ)は60mg、豚肉は35mgとなっているので、ラムでも食べすぎなければ効果が期待できるということがわかります。羊肉で太ったという人は、どちらの種類であったのかを、まずは知っておくことです。
脂肪のことを考えると、脂肪の吸収を抑える作用がある食物繊維を摂るとよいわけですが、野菜に含まれる不溶性食物繊維には、その働きは高くはありません。余分な脂肪を吸着して吸収量を減らすのは水溶性食物繊維です。その中でも、私たちが注目しているのは環状オリゴ糖とも呼ばれるα‐シクロデキストリンです。
機能性表示食品としても知られる難消化性デキストリンが人気になっていますが、α‐シクロデキストリンは2倍以上の効果があることが試験結果で得られています。これはαオリゴ糖とも呼ばれています。
シクロデキストリンについては、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。