脂肪代謝促進研究30 L‐カルニチンの摂取タイミング

サプリメントの成分は摂取されるタイミングが決まっています。水溶性の成分は胃の中にある水分によって溶けるので、いつ摂っても吸収されます。それに対して脂溶性の成分は食事に含まれる脂肪分に溶けてから吸収されます。そのため、食事の前後に摂るのが原則となります。

代謝促進成分のα‐リポ酸とL‐カルニチンは水溶性で、コエンザイムQ10は脂溶性です。水溶性の成分であれば、いつ摂ってもよいとはいっても、α‐リポ酸は胃液によって分解されると別の成分になってしまうので、胃の中に何も入っていない空腹時に摂る必要があります。

もう一つの水溶性のL‐カルニチンは、いつ摂ってもよいのですが、摂取の効果が高まるタイミングがあります。それは食事としてたんぱく質を摂っているときです。カルニチンは肉に含まれる成分で、肉のたんぱく質と非常に相性がよくて、たんぱく質とともにL‐カルニチンを摂ることで吸収率が高まります。

これを確かめるために、卵かけご飯の実験がされています。白米だけ、卵だけ、卵かけご飯とともにL‐カルニチンを摂ってもらったのですが、最も吸収率がよかったのは卵だけで、これは卵のたんぱく質との相性によるものです。次が卵かけご飯で、最も吸収率が低かったのは白米だけでした。もちろん、食べる量は同じにして、血液中のL‐カルニチンの量を測定しています。

たんぱく質であれば肉、魚、卵、牛乳・乳製品、大豆・大豆製品でもよくて、L‐カルニチンの効果を高めるには、たんぱく質を欠かすことができません。L‐カルニチンによって細胞のミトコンドリアに脂肪酸が取り込まれるとエネルギーが発生しますが、このエネルギーを使って細胞は働いています。

たんぱく質を取り込んで筋肉を強化するためにはエネルギーが必要で、エネルギー代謝が高まることは筋肉を強化することにもつながります。

筋肉が多いほど、エネルギー代謝が高まるので、L‐カルニチンは筋肉の代謝力を高める効果もあるということです。

〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕