腸内フローラと食事の関係性

腸内フローラが形成されると、有害菌の働きを抑制して、有害菌の腸管への吸着、腸管内での増殖を抑制することが知られています。
腸内フローラは大腸炎や炎症性腸疾患、過敏性腸症候群などによって乱れやすく、腸内フローラが乱れると疾患の要因となります。腸内フローラが乱れる原因としては、抗生物質の服用、胃のpH調整剤の服用、高脂肪の食事、食物繊維の少ない食事があげられています。
腸内フローラは食事との関係が深く、アメリカ人と南アフリカ人の食事を入れ替えた試験をしたところ、2週間で腸内フローラが変化したことが確認されています。腸内フローラが完全に入れ替わるまでには1年以上が必要とされますが、短期間であっても状態を改善できることが示されています。腸内細菌は栄養源を取り込んで代謝を行っていますが、腸内細菌の種類によって取り込む栄養源は異なっています。そのため、腸内フローラを構成する有益菌が積極的に取り込む栄養源を多く食事で摂ることによって、腸内フローラを短期間のうちに改善していくことができるようになります。
腸内細菌に関連する商品である乳酸菌や酵母、酵素のほか食物繊維や難消化性デキストリン、シクロデキストリンなど多数販売されています。エビデンス(科学的根拠)によって健康機能が裏付けられている特定保険用食品(トクホ)や機能性表示食品の種類で最も多いのが難消化性デキストリンとなっています。その評価と選び方、適した使い方などがわからずに「腸によい」「ダイエットに効果がある」「健康や美容につながる」といった期待から使い続けている人は少なくありません。
腸は身体の重要な役割を担っているだけに、腸に関する情報は日々更新されています。腸は全身の機関との関わりがあるだけに、腸の健康を維持して、排出の能力を高めておくためには身体の機能や幅広い健康情報、栄養知識なども必要になってくるのです。