腸内フローラを乱す食事は太りやすい

人間の身体は普通に食事をするだけでも太る仕組みになっています。三大エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)は身体を動かすためのエネルギーとして使われますが、必要以上に摂ったものは肝臓で脂肪酸に合成されます。
三大エネルギー源というと、この他に四番目、五番目があるようにシメージされることがあるものの、身体の中でエネルギーとして使われるのは糖質、脂質、たんぱく質だけです。この3種類以外のものはエネルギー源にはならないわけです。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020)によると、1日の適切な摂取バランスは糖質が50〜65%、脂質が20〜30%。たんぱく質が13〜20%となっています。糖質制限が言われる時代に糖質が半分以上となっていることに違和感を感じることもあるようですが、糖尿病の食事制限でも糖質は半分ほどを占めています。糖質(ブドウ糖)は素早くエネルギーになりやすいので、大切なエネルギー源ということができます。
脂肪酸3個とグリセロール1個が結びついたものが中性脂肪で、主に蓄積のためのエネルギー源となります。脂肪細胞の中に蓄えられているのは中性脂肪です。
脂肪に合成されるのはエネルギー量の違いに関係しています。糖質とたんぱく質は1g当たり約4kcalのエネルギー量となっていますが、脂肪は約9kcalと2倍以上のエネルギー量があります。糖質やたんぱく質のまま蓄積するよりも、脂肪のほうが少ない容量で大きなエネルギーを蓄積できるので、脂肪合成が行われているわけです。
腸内細菌の悪玉菌は動物性たんぱく質と脂肪を主な栄養源としているので、これらが含まれる肉類や脂肪が多く使われた料理を多く食べていると悪玉菌が増えるわけですが、脂肪が多いほど身体に取り込まれるエネルギー量が増えるため、太りやすくなります。善玉菌の主な栄養源は糖質と食物繊維であるので、善玉菌を増やす食事は太りにくいことになるわけです。