講習NAVI28 見えない世界でも理解できる説明

他人の話を聞くということは、想像力のレベルが問われます。私たちの講習は身体の機能に関わることが多くて、その内容もエネルギー代謝科学という少し難しく感じるものです。しかも目に見えないことを理解してもらうことを目的としたものです。

目に見えることなら、画像や映像で見てもらうだけで理解することができます。目で見たことが起こっていることのほとんどであれば、見たという事実だけで充分かもしれません。

私たちが伝えようとしているのは、全身の細胞の中にあるミトコンドリアという小器官の中で起こっていることで、ミトコンドリアではエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を材料にして生命維持のためのエネルギーが作られています。

「これが細胞の中にあるミトコンドリアで、この中でエネルギーが作られている」ということだけを知ってほしいなら、顕微鏡レベルでのミトコンドリアの姿を見てもらうか、それを図解したものを示すだけで足ります。その段階でよし、としている教科書もあります。

しかし、それではエネルギーの発生について知ることはできません。自動車のエンジンを見せて、その中で起こっているガソリンの燃焼を理解しろと言われても無理な相談であるのと同じことです。

ガソリンに火がついて燃焼して、その爆発力でピストンを動かして、それを動力になるというのは、まだ理解しやすいところです。ところが、人間の身体の中でのエネルギー産生は、そんな簡単な話ではなくて、「エネルギー源が有機化合物のアセチルCoAに変化して、そこから9段階の酸に変化して、エネルギー物質のATPは発生する」という、これだけ見ても何のことかわからないようなことが体内では常に起こっているのです。

そんな目に見えない世界を理解してもらうために、図解やたとえ話などを駆使して、理解してもらうように工夫に次ぐ工夫をしています。そんな面倒なことをするのは、仕組みが理解できた途端に、健康づくりのために何をすればよいのかが見えてくるからです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕