身体年齢31 食生活チェックでわかる中性脂肪対策

食生活チェック表を用いた栄養バランスの確認では、1週間に食べた副食(おかず)の種類(肉、魚、卵、乳製品など)と摂取量の目安を聞いているので、中性脂肪の摂取量は把握しやすくなっています。

食べている分量を聞いているわけではないのですが、食べる量も日によって大きく変わることは通常ではなくて、食の傾向は大きく変わることはないため、脂質異常症(高中性脂肪血症)のリスクを知ることができます。

血液中の中性脂肪値が高いと、脂肪が多く含まれる食品を減らすことが一般には考えられますが、中性脂肪値を上昇させるのは中性脂肪が多く含まれる食品ばかりではありません。中性脂肪値の上昇は血糖値の上昇によっても起こります。

血糖は血液中のブドウ糖のことで、血液中で多くなりすぎたブドウ糖は、余分なものとして肝臓で脂肪酸に合成されます。同じ容量ではブドウ糖と脂肪酸はエネルギー量が異なり、1gあたりではブドウ糖は約4kcalに対して、脂肪酸では約9kcalとなっています。2倍以上も違っていることから変化させて貯蔵用のエネルギー源としています。

脂肪酸が3個つながると中性脂肪になりますが、脂肪細胞に蓄積されるのは中性脂肪です。そして、食事量や運動量によって体内の脂肪が減ってくると脂肪細胞の中の中性脂肪が分解されて、脂肪酸が血液中に放出されます。

中性脂肪値が高い場合には、1週間の食品の頻度だけでなく、脂質と糖質が含まれた食品の分量も聞くようにしています。その分量も重量ではなく、肉を何枚、魚を何匹というようにチェック表に基づいた聞き方をしています。

中性脂肪値が高いと血管に負荷がかかり、動脈硬化のリスクが高まっていくことから、脂質と糖質の量に配慮しながらも、たんぱく質の量を確保するように食品の種類と摂取頻度を変えるようにします。たんぱく質は血管の材料であり、傷みやすい血管を修復させるために多く必要になるからです。

たんぱく質のエネルギー量は1gあたり約4kcalと糖質と同じであるので、たんぱく質を多く摂るときには、脂質と糖質を減らし気味にすることも考えます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕