身体年齢36 認知機能チェックでわかる血管の丈夫さ

認知症の診断方法としては長谷川式認知症スケールが有名で、多くの診療機関で採用されているチェック項目です。言葉で言われたものを思い出して話す、目で見たものを隠された後に答える、100から7ずつ引いていくといった方法が使われています。

この結果で一定の点数を下回ると認知症、それ以下でも正常範囲にない場合は軽度認知障害と診断されます。軽度認知障害は、いわば認知症の予備群と呼ばれるもので、半数は5年以内に認知症になり、3割は現状の状態が続き、2割は正常範囲、つまり軽度認知障害でない状態に戻っています。

正常範囲に戻れるのが理想であって、年齢を重ねても軽度認知障害のままで認知症まで進まないとしたら、これでも年齢によっては悪くはない状態と言えます。認知症の人数は2025年には700万人を突破して、65歳以上の20%に達すると推計されたのは2012年のことでした。その当時に比べると1.5倍にもなっています。

現在(2023年)から、あと2年後のことですが、その後の推計値は発表されていません。軽度認知障害のほうは65歳以上の15〜20%と推計されていて、認知症の患者数と変わらない人が軽度認知障害と考えられているのです。

軽度認知障害の段階になったとして、そこから回復する人と認知症まで進む人の違いを見てみると、血管の健康度が大きく関係しています。認知症はアルツハイマー型と脳血管型に大きく分けられていて、その両方が重なることによって発症する人が多くなっています。アルツハイマー病は脳細胞が萎縮して元には戻らない状態であっても、脳血管の健康度が保たれていると悪化しにくいということを示しています。

ということで、軽度認知障害を判定するチェック表では血圧、血糖値、中性脂肪値、LDLコレステロール値という血管にダメージを与える状態と、食事や運動によって血管のダメージを軽くする要素を知ることを重視しています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕