学習障害の指摘も学び方を知らないだけかもしれない

発達障害で最も多いのは学習障害で、文字が読めない識字障害、文字がうまく書けない書字障害、計算がうまくできない算数障害などがあります。識字障害と書字障害は基本的な読み書きの問題なので、幼いときから文字に親しませることで徐々に改善していくことができるとされています。学習障害でなければ、時間をかけていけば普通に読み書きができるようになっていくはずです。ところが、計算ができない、図形の感覚が理解できないということになると、これは改善が難しくて、学習障害と診断されやすくなっています。
実際には算数障害ではないのに、学習障害と診断されて、そこで改善が諦められてしまうこともあります。学習障害でないのなら、親や周囲の人が時間をかけて、コツコツと対応しようという気持ちを継続させることもできます。ところが、学習障害のレッテルがつけられてしまうと、そこで自分でアプローチするのを諦めて、他の専門の人に任せようという気持ちにもなってしまいます。
算数障害は、ただ計算や図形などの問題を解かせていれば、それで知識がついて徐々に改善されていく、というものではありません。どのように数字を捉えて、どのように考えを進めていけばよいのかという手順を理解して、そのとおりに進めていかないと身についていかないのが算数の特徴です。
そもそも発達障害は知的レベルが低くないものであるとされていて、学習障害も知能レベルが低くはないというのが前提となっています。知的レベルが高い、しかも知能指数が高いにも関わらず、算数が苦手というのは、手順に従って進めていく方法が理解できていないだけで、その手順を、しっかりと教えてもらっていれば、途中でつまずくこともなく、普通レベルでの算数学習はできるはずです。
そこを理解して、もしも学習障害の算数障害と診断もしくは指摘されることがあっても、発達障害だと諦めることなく、原点に戻って、基礎から教えていくべきです。その結果をもって初めて、学習障害と決めるようにするべきだということです。