骨の強化に関わる健康食品とメディカルダイエット

年齢を重ねると、破骨細胞が骨を壊す量のほうが骨芽細胞(増骨細胞)が骨を作るよりも勝ることから、骨密度が低下して骨粗鬆症のリスクが高まります。骨を強化させるためには、骨の原材料となるカルシウム、マグネシウム、コラーゲンを摂ると同時に、増骨作用がある成分を摂ることが必要となります。摂取タイミングですが、マグネシウムは食事の前後でも空腹時でも吸収率に差はないものの、カルシウムはイオン化してから吸収されるため、食後はイオン濃度が低下して吸収率が低下します。そのため、空腹時に摂るのが効果的です。
カルシウムは、骨や歯に必須のミネラルで、体重の約2%を占め、そのうち約99%が骨や歯にあり、約1%が血液や筋肉中にカルシウムイオンとして溶け込んでいます。血液凝固、筋肉収縮、神経系の調整のほか細胞内外のカルシウム濃度の調整によって細胞の機能の調整、ナトリウム排泄による血圧調整をする作用があります。また、腸壁を刺激して蠕動運動を盛んにし、便通を促進する作用があります。不足すると骨粗鬆症や骨軟化症を引き起こします。カルシウムの吸収率は通常の食品で約30%、牛乳で約40%、通常のサプリメントでも約30%です。
マグネシウムは多量元素のミネラルで、体内では60~65%は骨に含まれ、残りは肝臓、筋肉、血液などのタンパク質と結合して存在しています。300種類以上の酵素に作用する補酵素であり、筋肉の収縮、神経の興奮抑制、血管拡張による血圧降下などの作用があります。にがりの主成分であり、過剰に摂ると下痢になる危険性もあります。
コラーゲンは皮膚、血管、腱、歯などに含まれる人体に最も多い繊維状のタンパク質で、全身の細胞を結びつける役割をしています。人体の全タンパク質の約30%を占め、全コラーゲン量の約40%が皮膚に、約20%が骨や軟骨に含まれています。年齢につれて体内で合成される量よりも分解される量が増えるために不足しやすく、不足すると骨の老化が進みます。食品では豚骨、魚の煮汁、ゼラチンなどに多く含まれます。サプリメントとしては加水分解して分子量を小さくしたコラーゲンペプチドが使われ、肌の弾力の維持、骨の形成、関節痛の改善などの作用があります。コラーゲンはビタミンCによって体内での合成が高まります。