鮮やかな色彩の食べ物が活性酸素を消してくれる

活性酸素は、全身の細胞の中のエネルギー代謝の結果として発生します。有害物が含まれている食品を食べると肝臓で解毒されますが、そのときには酸素が多く使われて、代謝が盛んになることによって活性酸素が大量に発生するようになります。
活性酸素を消去するものとしては抗酸化ビタミンと呼ばれるビタミンA、ビタミンC、ビタミンEがあげられます。活性酸素はマイナス電子が一つ欠けた酸素で、マイナス電子を奪うことによって正常な酸素に戻ります。その欠けたマイナス電子を与えるのが抗酸化ビタミンの役割です。このうち最も抗酸化力が強い、つまりマイナス電子を与えやすいのはビタミンEですが、ビタミンAとビタミンCはマイナス電子が欠けると破壊されるのに対して、ビタミンEはマイナス電子が欠けたままで存在します。その状態では細胞からマイナス電子を奪ってしまうので、活性酸素と同じようになってしまいます。
その状態のビタミンEにマイナス電子を与えるのがビタミンCで、抗酸化作用を高めるためにはビタミンEとビタミンCが組み合わせて使われます。これによってビタミンEが繰り返し抗酸化作用を発揮するようになるのです。
抗酸化ビタミンだけでは対処できないほど活性酸素が発生したときには、その次の手段として抗酸化成分が使われます。これは植物に含まれる色素に含まれる成分で、緑茶のカテキン、ブルーベリーのアントシアニン、玉ねぎのケルセチン、大豆のイソフラボン、トマトのリコピン、ごまのセサミノール、赤ワインのポリフェノールなどがあります。
これらの抗酸化成分は、人間の細胞よりも活性酸素によってマイナス電子が奪われやすいので、酸化することによって、人間の細胞の酸化が防がれているのです。抗酸化成分は酸化しやすい性質があり、体内で酸化することによって抗酸化作用を発揮しています。身体の中に入る前に酸化してしまってはいけないので、例えば緑茶はお湯を注いだら、できるだけ早めに飲むようにします。お湯を注いでから30分もすると茶葉の酸化が進んでいるので、時間が経過したら再びお湯を注いで飲むのは避けるべきです。