2023/10/17 同じ人間なのに呼び名が異なる

小林という名字は、元々は関東姓で、ランキングとしては全国で9番目です。100万人を超えていて、1000人に8.18人の割合となっています。10位までは佐藤、鈴木、高橋、田中、伊藤、渡辺、山本、中村、小林、加藤の順です。

東京にいたときには、人口も多くて、全国から集まってきていたこともあって、どの名字も、よい思い出もあれば、そうでない思い出もあります。なぜか、よくない思い出のほうの名字が偏っているということも経験しました。東京の名字ランキングは順位こそ違いがあっても、トップ10に登場するのは同じ名字です。

名字の面白さを本格的に知ったのは大学で新潟県柏崎市から上京してからですが、初めて関心を持ったのは親元を離れて母の実家のお寺で暮らしていたときのことです。檀家の名簿を見て、いろいろな名字があり、数が多いものもあれば、1家族だけというものもあって、3歳でまだ漢字の意味もわからないのに形と音だけで眺めていました。

新潟県では佐藤、渡辺、小林がトップ3で、小林姓は檀家にも多く、表札を見ながら歩いていると小林姓が連続していて、親戚が集まって暮らしているのか、と思ったりもしていました。

東京で仕事をしていると同じ姓の人が多く集まることもあって、区別するのに○○の小林と呼ばれることも何回も経験しました。テレビ業界では「箱馬の小林」と呼ばれていました。身長が170cmに満たなかったので、箱馬に乗ってスタジオ内を見ていたのがきっかけです。箱馬は木板を張り合わせた木箱で、ステージやひな壇、踏み台などに使うもので、スタジオには、どこでも置いてありました。

霞が関のお役所の仕事をしていたときには「ビール券の小林」と呼ばれていました。ビール券を持って歩いていたのは3年だけだったのですが、それ以降も、ずっと同じ呼ばれ方をしていました。

ある役所で業界からビール券を受け取るのが禁止されたことがあって、お役所間で予算を取るためにはビール券をつけるという儀式がありました。公式には受け取れないので、私が業界から受け取って、お役人に渡していただけですが、そのときの印象が強かったのでしょう。

日本健康スポーツ連盟の理事を務めていたときには「細こば」と呼ばれていました。同連盟の理事長は日本ボディビル・フィットネス連盟の会長でもあって、身体を鍛えた人 に比べると私はスリムだったので、そんな呼ばれ方をされていました。

次は「ダマシの小林」で、岡山に移住する前の2年間は消費者庁の機能性表示食品制度の委員をしていました。私は健康食品の表示の法律講師をしていたので、機能性表示食品制度を悪用して法律破りをしてくる会社に詳しいことから、健康食品会社の騙しのテクニックへの対応が役割でした。

私が騙すわけではなくて、逆の騙されないようにするのが仕事だったのですが、「だまされないの小林」ではなく、逆の意味に取られかねない「ダマシの小林」になっていました。

最近、全国キー局のテレビ関係者に連絡をしたときに、「ああ、納豆キムチの小林さんですか」と言われました。もう20年も前になるのに、私が各テレビ局に全国納豆協同組合連合会の委託仕事で、納豆の食べ合わせとしてキムチと一緒に食べることの有効性を伝えていたことを今も覚えている人がいたとは。

今、岡山で倫理法人会に参加させてもらって、皆さんには何の小林と呼ばれているのか、まだ確かめてはいません。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕