健康づくりは一朝一夕に進むものではありません。一石二鳥のような効果的な方法であっても、習得にも実践にも時間がかかるのは当たり前のことです。健康づくりについて学びたいという人は、経済的に苦しくなった時代には増える傾向があります。
私たちが実施する講習を受講して、理論学習のもとに一緒に行動しようということであれば、積極的に時間を取って、相手方にも時間を取ってもらって、講習に手間をかけていくのは当然のことと思っています。
ところが、エッセンスを拾って、それで健康づくりの方法を知ろうとする人も少なからずいて、一生懸命に伝えたのに、そのままノウハウを持っていかれただけということも過去にはありました。
このような“時間泥棒”とも思えることについて、広く世間に知られるようになったのは外食チェーンの会長で、その方が国会議員になったときにもメディアで紹介されていました。しかし、その言葉を初めて私が書いたのは(聞いたとか見たではなくて)、経済界の著名人にインタビューをした内容をゴーストライターとして文章にしたときのことで、よい話を聞いてほしいと言ってくる人のほとんどは、稼ぎをくれる人ではなく“時間泥棒”であったということを、しっかりと書きました。
それがメディアに取り上げられて、それなりに有名な言葉として使われるようになったのですが、時間を泥棒にくる人と、そうでない人の見極め方についても聞きました。それは第二弾の話題のために取っておいたのですが、第二弾が発行されなかったので、お蔵入り、つまり私の心の中に強く刻まれました。
簡単に触れておくと、単なる提案や資金提供の話をしにくる人は本気でないので、わずか10分であっても時間を盗まれることになります。一緒に行動することを願っての提案をしてくる人は、どんなに時間がかかっても無駄にはならないということです。
健康づくりの活動や、そのための講習でも同じことで、一緒に行動をして、一緒に収益を分け合うということなら、歩みが遅くても着実に収益が得られるものの、仕事をした分だけを請求するような取り組みは、結局はうまくいかないという考えです。
それは時間を使って、健康について学び、実践する人の立場でも言えることで、“時間泥棒”と言われないように講習と実践の内容を決めないといけないということを示しています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕