太っているのは、体脂肪が多くなっている状態です。腹部や下半身に蓄積される体脂肪が多いと、食事で摂る脂肪を減らそうとする人が多いのですが、脂肪が多く含まれる食品の摂取量を減らしても、肉の脂肪を取り除いたりしても、なかなか効果が現れにくいということが多くなっています。
体脂肪は内臓脂肪と皮下脂肪を指しています。内臓の周りと皮膚の奥にある脂肪細胞の中に蓄積されている中性脂肪が多い状態ですが、体脂肪の量は食事で摂ったエネルギー量を反映しています。それは脂肪の摂取量だけではありません。
糖質であっても食べすぎると、余分なエネルギー源として肝臓で中性脂肪に合成されます。これはエネルギー量の差が関係しています。脂肪は1gあたりのエネルギー量が約9kcalと、糖質とたんぱく質の約4kcalに比べると2倍上のエネルギー量があります。脂肪に変化させることで、狭いところに多くのエネルギーを蓄積することができるからです。
食事とともに重要になるのが、運動による消費の促進です。エネルギー代謝を高めるには筋肉運動が重要で、筋肉はエネルギー代謝が盛んな組織なので筋肉を強化すると、同じ生活をしていてもエネルギー消費が盛んになります。
これは事実であっても、筋肉のエネルギー源には2種類あって、筋肉に刺激を与えて強化することができる白筋(速筋)はブドウ糖をエネルギー源としています。脂肪酸をエネルギーとして消費するのは赤筋(遅筋)です。
脂肪酸の消費を進めて、体脂肪を減らすためには、脂肪酸をエネルギー源として消費する赤筋の活動を高める有酸素運動が必要になります。いわゆる筋トレだけでは脂肪酸は代謝されにくいので、ウォーキングなどの有酸素運動をする機会を増やすことが大切になってくるのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)