理想実現のための代謝促進28 抗酸化のためのエネルギー代謝

エネルギー代謝は細胞のミトコンドリアの中で、エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を材料に、酸素を使って起こっています。吸い込んだ酸素のうち2〜3%は活性酸素に変化しているとされますが、その活性酸素はミトコンドリアでのエネルギー代謝のときに発生しています。

エネルギー代謝が起こるときに活性酸素が発生するのは仕方がないことですが、不完全燃焼状態で多く発生します。そのため、完全燃焼をさせるようにすることが大切で、そのときに必要になるのは4種類のビタミンB群(ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂)です。

ミトコンドリアの中で代謝が起こっているのはTCA回路というエンジンのような器官です。TCA回路の中では、エネルギー源から変化した高エネルギー化合物のアセチルCoAになり、それが9段階の変化をして、エネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が発生します。

このときの9段階の変化にビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂が必要となっています。一つでも欠けると、エネルギー産生が大きく低下すると同時に、活性酸素が多く発生するようになります。

活性酸素は酸素を多く吸い込むほど多く発生するといっても、だからといって酸素を多く吸わないほうがよいということではありません。体内には活性酸素を消去する酵素があり、この酵素が働くときには酸素が必要になります。

適度な酸素量のときには抗酸化酵素が充分に働くことから活性酸素が急に多くなるようなことはありません。息が切れるような運動では無酸素領域になり、代謝が低下することから活性酸素が発生しやすくなります。適度な運動がすすめられるのは、活性酸素対策でもあったのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕