エネルギー代謝80 脂肪のエネルギー量と達成期間

運動によって減らしたいのは体重ではなくて、脂肪細胞の中に蓄積されている体脂肪(内臓脂肪、皮下脂肪)です。体重を減らすのは簡単なことで、筋肉が減ることでも、体内の水分が減ることでも体重は減ります。

脂肪に比べると筋肉は重い(1.2倍ほど)ので、筋肉が減ると体重は減ります。水分を取る量を減らしたり、汗を多くかくことをして減った体重は水を飲むだけで簡単に戻ってしまいます。

体脂肪は1kgあたり約7200kcalのエネルギー量があります。脂肪は1gあたり約9kcalなので、1kg(1000g)なら9000kcalとなりそうですが、体脂肪は20%ほどが水分となっています。計算式は以下のとおりです。

「9000kcal×80%=7200kcal」

7200kcalを食事で減らすためには、1日に200kcal分を減らしたとすると36日かかることになります。

運動によるエネルギー消費が1日に200kcalを加えて、1日に400kcalを減らしたとしても18日もかかることになります。

「7200kcal÷400kcal=18日」

食事量を100kcal単位のエネルギー量で考えるのと同時に、運動量も100kcal単位で考えていくことで、食事量に合った運動量を知ることができます。
100kcal単位の運動量としては、一般には以下のような種類と時間が示されています(公益財団法人健康・体力づくり事業財団)。

〔男性〕ゆっくり歩く22分、自転車13分、ジョギング7分、水泳3分
〔女性〕ゆっくり歩く27分 自転車17分、ジョギング8分、水泳3.5分

100kcalの運動量については、個人差が大きいことから、それぞれの条件を計算式に入れ込みながら詳細を計算していく必要があります。

同じだけの運動量なら誰もが100kcalを消費できるわけではありません。体重、性別、年齢でも異なり、これらが同じであっても筋肉量や呼吸量などの違いによっても違いが出てきます。

詳細を計算することは大変ですが、体重、運動強度、運動時間だけで、それぞれの運動による消費エネルギー量を知る方法が厚生労働省によって示されています。それは『健康づくりのための運動指針』(エクササイズガイド:2006)といいます。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)