ウォーキングの前の準備運動は、主には怪我の防止を目的として実施されます。足首を回し、アキレス腱を伸ばし、脚の筋肉を大きく動かすために屈伸運動をするということから始めます。

ポールを使って歩くノルディックスタイルのウォーキングでは、せっかくポールを持っているのだから、ポールを使った運動が行われます。ポールを持って上半身を動かす歩き方であるので、上半身の曲げ伸ばしも行われます。

屈伸運動や脚の振り上げなどは、何もなしでは安定しないことがあり、高齢になると準備運動であっても若いときと同じようにはしにくくなります。ところが、ポールがあると、これが支えになって屈伸運動も楽にできるようになります。脚を前後に広げて、深く腰を下げるストレッチは、普通ではバランスが取りにくくてできなくても、ポールで支えると、膝が着きそうになるほど深く、大きく脚の筋肉を伸ばすことができます。

そのような有効性があるだけに、単に準備運動だけではもったいないことです。ポールの特徴を活かしたポールストレッチは、ウォーキングに使われる筋肉を曲げ伸ばしするだけでなく、無理がかからない筋肉トレーニングにも有効です。

歩くのに必要な筋肉だけでなく、立ち上がることにも、身体のバランスを取るためにも重要となる起立筋を鍛える効果もポールストレッチにはあります。起立筋は大腿の筋肉から腰、腹筋、背筋までの広い範囲の筋肉で、これを鍛える一番の方法は立ち上がる運動を続けることです。

ポールを使うと楽にできるということは、それだけ負荷がかかりにくいということですが、ポールを使ってできるようになったら、ポールなしでも立ち上がる運動もしやすくなっています。

屈伸運動ができるようになると、筋肉の多くの酸素を送り込んで、この酸素を使って脂肪をエネルギー化しやすくなります。ポールストレッチの後にはポールを使ったウォーキングをして、その効果を実感してほしいのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構　理事長：小林正人〕