巡回健診の全国団体である一般社団法人日本健康倶楽部は月刊情報誌「健康日本」を発行しています。私(小林正人)は東京にいたときには「健康日本」の編集委員を務め、業務委託として取材、執筆、編集も担当していました。その期間は13年間、156冊に及びます。
その途中のこと、当時の厚生省によって目標値を掲げた国民的健康づくり運動の「健康日本21」が始まりました。その第1次は2000年(平成12年)からの10年間です。
厚生省と労働省が統合されて厚生労働省が発足したのは2001年(平成13年)で、「健康日本21」は厚生労働省の主導によって、働く人の健康づくりの対策が一気に進みました。
日本健康倶楽部は事業所の定期健康診断が主な仕事であったことから、「健康日本21」は「健康日本」のメインテーマとなりました。そのために、働く人向けの健康づくりの情報だけでなく、子どもや家族の健康づくりの情報も充実させていきました。
巡回健診による定期健康診断で特に重視されていたのは生活習慣病のリスクが高い人のための予防・改善の食事・栄養の情報でしたが、これは得意とする分野でした。というのは、それまでは病院栄養管理のHDS研究所の主任研究員も兼ねて活動していたことから、臨床栄養(患者向けの栄養)の立場での生活習慣病を手がけていたからです。
HDS研究所の所長(日本栄養士会の理事長も務めた国立病院出身の管理栄養士)は、臨床医と病院栄養士・管理栄養士による日本臨床栄養協会の創設メンバーで、初代の副会長でした。その関係から日本臨床栄養協会の機関誌「New Diet Therapy」の編集も担当して、臨床栄養を基礎から学ばせてもらいました。
健康日本21には歯と口腔の健康も重要項目として掲げられていたのですが、定期健康診断には歯科健診は義務づけられていなくて、任意の検査だったこともあり、この知識だけが抜けている感じでした。
歯と口腔の健康は、新たに取り組んでいる健康デザインでは重要なテーマで、専門医の先生方から学ばせてもらえる機会ができたことから、やっと健康づくりの全部のパーツを揃えることができました。
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕