健康情報24 一人暮らし男子大学生の飲酒頻度

大学生の居住形態と飲酒との関連性は以前から示唆されていましたが、大規模な人数で長期にわたるフォロー期間をもった研究による統計的に意義のある両者の因果関係は解明されてきませんでした。

大阪大学大学院医学系研究科と大阪大学キャンパスライフ健康支援・相談センターの研究グループは、居住形態と飲酒のリスクについて比較して、高頻度の飲酒習慣になるリスクについて発表しました。

対象となったのは大阪大学の学生健康診断を受診した学生1万7774人のうち、一人暮らしの下宿の男子大学生5151人、寮生活の男子大学生692人と、両親などの家族と同居している男子大学生5685人を比較して、両者の週4回以上の高頻度の飲酒のリスクについて比較しました。

その結果、一人暮らしの下宿の男子大学生と寮生活の男子大学生は週4回以上の高頻度の飲酒頻度になるリスク(一人暮らしの下宿1.39倍、寮生活1.21倍)が高くなることを明らかにしました。

この研究成果は10年前からの大学生などの健診データを活用したもので、コロナを経て生活習慣に変化が起きている可能性もありますが、親元など家族との同居を離れた一人暮らしの下宿や寮生活の男子大学生が、高頻度の飲酒習慣になるリスクが高いことを示しています。

さらに、若い世代の飲酒習慣が将来の飲酒習慣に影響を与えるという研究があることから、若い世代での高頻度飲酒は、将来の大量飲酒を生む可能性が高い結果につながります。

一人暮らしの下宿や寮生活の大学生に対して、高頻度・大量飲酒習慣の危険性やアルコールの健康被害の啓発を行うことなどが、世界的に問題となっているアルコール依存症を含むアルコール性障害やアルコール依存に関連した社会的問題への対策につながることが期待されています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕