女性の手作り料理が家族の健康を守っている

手作り料理の重要性を日本メディカルダイエット支援機構の理事長が語ったときのこと、セミナー会場に来ていた雑誌記者が「足では料理を作らないから」と妙な反応をしていたことを思い出しました。なぜ思い出したのかというと、女性が手で作るから健康によいという話を受けて、足で作っても同じように身体によいのか、という質問があったからです。
実際に足で料理を作るような人はいなくて、あえて言うなら、うどん作りとして足で踏むくらいです。足で直接的に踏むわけではなくて、ビニール越しにして衛生面は確保されています。手で料理を作るときには、もちろん手を洗って清潔にしてからになるわけですが、完全な消毒でもしない限りは雑菌が残っています。雑菌というと、健康によくない菌というイメージではあるものの、中には健康に役立つ菌もいます。それは乳酸菌です。
身体には常在菌と呼ばれる菌が定着していて、乳酸菌が身体に害を与える菌がきたときに、これと戦います。戦って勝てないまでも外敵の力を弱めてから身体に入ってくることになるので、健康被害を減らしてくれる大切な味方ということになります。実は有害な菌であっても、常在菌であれば身体には大きな害を与えないので、外敵と戦うということでは乳酸菌と同じような働きをしています。
女性は妊娠したときには、有害な菌が入ってきては困ることから乳酸菌によって皮膚をバリア状態にしています。この乳酸菌は妊娠が可能な女性には非常に多く、この乳酸菌は女性が料理を手作りすることによって料理に移り、それが食事とともに家族の身体の中に入ってきます。乳酸菌は腸内細菌の善玉菌と同じものなので、家族の健康を守る一つの大きな力となっているのです。
それなのに料理を作らずに買ってきて食卓に並べるだけ、手が汚れないように手袋をして料理を作るというようなことをしている女性もいて、せっかくの家族の健康に役立つ機会を自ら失うようなことをしているのです。
男女平等の時代なので、男性が手作り料理をすることも述べないわけにはいかないのですが、男性の手作りでは残念ながら乳酸菌を提供することはできません。というのは、男性で女性のように皮膚に常在菌の乳酸菌が多く存在しているのは1万人に1人の割合だといわれています。つまり、男性には家族の健康を支える菌がいなくて、よくない菌ばかりということになります。
女性の場合には足にも乳酸菌が存在しているので、手作りならぬ足作りであっても家族の健康に役立つ料理ができるということです。昔から糠漬けは女性が混ぜると発酵が進むけれど、男性が混ぜると腐ると言われていますが、これは乳酸菌の量が関係しています。