歩行強度計とハートレートメーターの違い

歩行強度計について取り上げたところ、「歩行強度計で安全性は保たれるのですか」という質問がノルディックウォーキング関係者からありました。ノルディックウォーキングの指導者はハートレートメーター(心拍計)を装着して、参加者の安全確保につとめていることから、歩行強度計で充分なのかと考えるのは当然のことです。歩行強度計はウォーキングをしているときの中強度の状態を測定して示す装置で、最も脂肪代謝が盛んな状態を測定して、その時間を示すことによって、どれくらいの運動量になったのかを知ることができます。
ウォーキングでは心拍数を高め、脂肪代謝が盛んな効率的な歩行負荷が中強度の負荷で、少しくきついと感じる程度の速度で歩き続けることによって脂肪燃焼を盛んにして、身体機能を高めることができるとされています。測定できるのは、あくまで脂肪燃焼の状態であって、心臓の負荷と身体にかかる総合的な負荷を示す心拍数を測定できるのはハートレートメーターです。心拍数は身体の負荷が高まるにつれて高まっていくもので、同じ速度で歩いていても、身体の状態や運動経験によって心拍数は異なってきます。心拍数が、それぞれの人の正常値を超えると、負荷がかかった状態になります。
ハートレートメーターは、ハートレートモニター、ハートレートセンサー、ハートレートレシーバーといったように、さまざまな呼び方がされています。内容的には同じものですが、これらの装置が威力を発揮するのはノルディックウォーキングです。ノルディックウォーキングは、ポールを用いて歩くことで上体を支え、上半身の力も使って歩くことから身体の付加以上不に楽な感じで歩くことができます。歩いている本人は、それほどの負荷がかかっていない早歩き程度であっても、実際には思った以上のスピートになり、身体負荷の強い速歩きになっていることもあります。
本人が気づいていないのに、実際には負荷がかかっているという状態は、長く続けるほど危険が増すことになります。その状態を知っておかないと、一緒に歩いている人に危険をもたらすことになります。全員にハートレートメーターを装着することができなくても、一緒に歩くリーダーが装着して、常に確認して歩くことによって歩行者全員の安全を確保することができます。ハートレートメーターは装着して確認するのが面倒であっても、集団で歩くときには、健康をうたって歩くときには装着することが必要だということです。