半身浴にダイエット効果はないのか

長寿医学の専門家が、いろいろな健康法を検証するという雑誌記事に半身浴が取り上げられていました。半身浴には科学的な根拠がなく、世間で言われているようなダイエット効果もなく、高齢者には身体を冷やすので健康維持にはよくない、という言いようで、半身浴をすすめてきた立場の人にはショックな内容です。その内容をよくよく見ていくと、“間違い半身浴”をやっている人と同じ方法を半身浴と認識していて、これでは健康によくないと言われても仕方がないと思われることでした。
その方法というのは、入浴をしたら、すぐに身体の半分をお湯の中に沈めて、お湯から上半身を出すことで、確かに半身浴のシーンを描くとしたら、こうなります。しかし、これは半身浴の後半のシーンであって、前半は普通の入浴法をします。つまり、肩まで沈めた全身浴をして、身体が温まってきたところで半身浴に移るということです。
問題は入浴温度で、普通に身体を温めるだけだったら38〜40℃のぬるめの温度でもよいのでしょうが、半身浴の前の全身浴では充分に身体を温められるように熱めの温度の42℃にします。自律神経が交感神経に切り換わるのが42℃からで、交感神経が刺激される温度で温まることによって全身の血流が盛んになります。この状態で半身浴にすることで、下半身は温められ続けて、血行は盛んなままで上半身が温まりすぎないようにすることができます。温まりすぎて困るのは脳で、のぼせることがなく、身体を温め続けることが半身浴の大きな利点です。
血流によって身体が温め続けられるのが半身浴なので、身体が冷えるということを言い出したら、根本的に間違っていることになります。半身浴の前に全身浴をして、42℃の温度で下半身を温めていれば冷えるようなことはないはずです。お湯の温度が下がってきたら、追い炊きをして温めるか、熱めのシャワーで上半身を温めるかして血流を確保するようにします。このような正しい半身浴をしないで、半身浴は誤っているというようなことをメディアで流すのは、どうしたものかと感じているところです。