太っている人は、早食いの傾向があります。食事をすると、主食(ご飯、パン、麺類など)に含まれる糖質が胃で分解されてブドウ糖となります。このブドウ糖が腸から吸収されると血液中のブドウ糖が増えます。血糖値が上昇すると、脳の満腹中枢が反応して満腹感が得られるようになります。
血糖値が上昇すれば、すぐに満腹中枢が反応するわけではなく、反応するまでには食べ始めてから15分ほどはかかります。それよりも早く食べ終えた場合には、多くの量を食べていても満腹を感じにくくなり、もっと多くの量を食べてしまうことにもなりかねません。
“夕食は30分かけて”という早食い防止の標語が検討されたことがあります。
これは、生活習慣改善のためには運動・休養・栄養が重要であることから、その標語として「1日に30分の運動習慣」「夕食後に30分のリラックス時間」と並んで、「夕食は30分かけて」が検討されました。
実際に食事にかけている時間は、どれくらいかというと20分ほどとされていて、早食いの傾向は改められていないようです。30分間の食事時間は現実的に難しいこともあって、「1日30品目」が掲げられたと伝えられています。できれば夕食は30分かけて、ゆっくりと食べるようにしたいという健康とダイエットの考えは、今も通用することです。
では、ダイエットのために、どうすれば食事にかける時間を延ばすことができるかということですが、ダイエットのための食事を提供するレストランや社員食堂などでは食材を大きく切って、軟らかくなりすぎない状態で提供しています。食材が大きいと、よく噛んで食べなければならないために、噛み始めてから飲み込むまでの時間が長くなります。これによって食事にかかる時間が長くなり、血糖値が上昇しやすくなって、それほど多くの量でなくても満足感が得やすくなる効果を狙っているわけです。
これを応用して、ダイエットのための料理は、ジャガイモやニンジンは大きく切って茹ですぎない、生野菜も大きく切る、肉も小さく切らない、魚介類は丸ごと出す、ご飯も玄米は無理としても胚芽米や五穀などを混ぜたものを食べるといった工夫がされています。
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