今から始める感染症対策の継続可能な健康施策

病気と感染症の最大のリスクは加齢だと考えられています。加齢によって免疫力が低下して、生活習慣病の発症につながることから、高齢化率が高い自治体ほど住民の免疫強化が重要課題となっています。国民病と呼ばれる糖尿病は高血糖によって血流が低下することから免疫を低下させることが知られていて、食事改善やウォーキングなどの適度な運動を継続させることによって血糖値を下げ、免疫の強化にもつながっていきます。この適度な運動の普及は他の生活習慣病のリスクを低下させることにもつながります。
これらのことは医学界ではエビデンスが得られていて、それに基づいた改善策も構築されています。その改善策は正しいことであるにも関わらず、楽しく続けられることではないために、なかなか浸透していない現状があります。
生活習慣病の予防と感染症予防を強く推し進めていくためには、これらの知識の習得が大切であり、地域の現状と特性を踏まえた継続可能な運動の普及と、地域における実際の活動を通じた健康教育は感染症対策の下支えとなる重要事項といえます。
しかし、住民が楽しく参加して健康の重要性を学び、実践していく場は、感染リスクが高い場所であるという問題点は感染拡大によって明らかになっています。それぞれの地域には自治体が管理する役所、公会堂、公民館、体育館、図書館、学校などがあり、これらを安心して活用できるようにするためには、除菌・消毒による安全性の確保が重要となります。
施設の安全性の確保があってこその健康づくりであり、その健康づくりがあってこそ将来の感染症に備えた重症化リスクを低減させることができます。蔓延する可能性が高い細菌やウイルスによる感染症は、地球温暖化やグローバル化により、今後も継続的に発生することが予測されています。新たに複数年に渡って感染拡大が継続する感染症が発生することを想定した場合には、常に感染対策と健康づくりを実施する必要があり、中でも高齢化率が高い地域は徹底した対策が重要になります。
これまで地域だけでは解決が難しかった感染防止と健康づくりによる感染対策を両立させるために、医療、除菌・消毒、地方創生の各分野の専門家が連携した感染防止対策を実施することによって、自治体の課題解決を図っていくことが重要となると考えています。