発達栄養学90 野菜のバランスのための選び方

野菜は形状では根菜類、葉茎菜類、果菜類の3種類に大きく分けられています。これは総務省の分類で、農林水産省の分類では根菜類、葉茎菜類、果菜類のほかに香辛野菜、果実的野菜を加えた5種類となっています。
根菜類はだいこん、にんじん、かぶ、ごぼう、れんこん、ばれいしょ、さといもなど、葉茎菜類ははくさい、キャベツ、ほうれんそう、レタス、ねぎ、たまねぎ、こまつな、しゅんぎく、セロリ、アスパラガス、ブロッコーリーなど、果菜類はきゅうり、なす、トマト、ピーマン、かぼちゃ、さやいんげん、さやえんどう、そらまめなどです。香辛野菜はしょうが、とうがらしなどで、ここまでは野菜という認識がしやすいのですが、果実的野菜は果物と勘違いされがちです。これにはいちご、メロン、すいかなどが含まれます。地面からなっている1年生は野菜、木になっている多年生は果物という分類なので、果物売り場に売っていても、デザートで出されていても野菜に分類されます。
ここまで分類について説明してきましたが、ここでいう野菜のバランスというのは緑黄色野菜と淡色野菜のことを指しています。緑黄色野菜は色の濃い野菜、淡色野菜は色の薄い野菜という印象ですが、その違いを出しているのはβ–カロテンです。β–カロテンは抗酸化作用がある色素です。β–カロテンの分量が100gの中に600μg以上含まれているものが緑黄色野菜、それ以下のものが淡色野菜と分類されています。この基準からすると緑黄色野菜はほうれんそう、かぼちゃ、にんじん、こまつなが該当します。トマト、ピーマン、オクラ、ブロッコリーなどはβ–カロテンが600μgに満たないものの食べる回数が多いという理由から緑黄色野菜として扱われています。
厚生労働省は1日の野菜の摂取目標量を350gとしていますが、そのうち緑黄色野菜は120g、淡色野菜は230gを摂取することをすすめています。どうしても緑黄色野菜は少なくなりがちで、より増やそうとすることからβ–カロテンが少なくても緑黄色野菜とすることで販売量を増やそうとする意図もみえてきます。