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健康デザイン2 THP運動の始まりと現在
厚生労働省が「トータル・ヘルスプロモーション・プラン」を打ち出し、多くの企業が「THP運動」に取り組んだ時代があります。THPは「Total Health Promotion」の略で、心と体の健康づくり運動を意味しています。当時の厚生省が策定した「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」に基づいた労働者の心身両面にわたる健康づくりのための取り組みです。 この指針は労働安全衛生法の改正
健康デザイン1 そもそも健康とは何だろうか?
健康づくりの方法というと、栄養、運動、休養が三大要素で、どれを重視するか、どれから始めるかという議論が盛んに行われていた時期があります。しかし、今では、どれも必要で、健康で改善を求めるなら同時に取り組むべきだとされるようになっています。 この連載コラムは「健康デザイン」のテーマで、健康づくりを無理なく無駄なく進めるために何をすべきかということを伝えていきます。初めは健康の考え方についての総論
健康食品 敵か味方か48 善玉菌を増やす機能性表示食品
機能性表示食品は機能性を表示して販売できるもので、試験結果によって得られたエビデンス(科学的根拠)が必要です。そのエビデンスに基づいて表示内容が決められます。 その一つに「善玉菌を増やす効果がある」と表示されたものがあります。内容成分としては腸内細菌の善玉菌と同じような種類の乳酸菌が含まれているので、これが腸内(大腸)で善玉菌となって働いてくれると思われがちです。 ところが、そうとも限
身体年齢34 血液脳関門を通過する成分
身体の健康状態は、脳の機能も大きく影響してきます。脳が全身の機能を調整していることだけでなく、健康づくりに必要な気力や神経伝達も脳の働きに影響を受けています。脳は正常に機能するために、必要な成分以外は取り込まれないようになっています。 脳の細胞に酸素や必要な成分を運んでいるのは毛細血管ですが、脳の毛細血管には他の毛細血管とは違った特徴があります。それは血液脳関門と呼ばれる特別なゲートがあるこ
ツイン・ウォーク66 血圧改善の効果的な歩き方
血圧は血管の動脈にかかる圧力のことで、心臓から送り出された血液の勢いによって高まっていきます。血圧が上昇する原因は複数あるのですが、内臓脂肪の蓄積によっても上昇します。 内臓脂肪が蓄積すると悪玉の生理活性物質のアンジオテンシノーゲンが分泌されます。この生理活性物質はインスリン抵抗性を引き起こして血糖値を上昇させることが知られていますが、それと同時に血管を収縮させ、さらに血液中の塩分濃度を高め
2023/7/12 東洋医学の発想での西洋医学
私たちが研究・実践指導しているメディカルダイエットは、生理学を基本としているので分類でいうと西洋医学の範疇となります。それなのに、発想は東洋医学的で、同じ治療、同じ医薬品なら同じ結果になるとは考えていません。 西洋医学の治療であっても受け手側の状態によって結果が違うのは当たり前のことです。東洋医学では証という体質があり、体質によって同じ手法(薬や療法)であっても身体によい結果を与えたり、逆に
健康食品の法規制48 痛み関連商品は販売の波が小さい
健康食品の購入数は、季節によって変化することがあります。それは気候によるものではなくて、年中行事が関係しています。出費が多い年末年始、春の連休、夏休みのお盆などは、他の出費を抑える傾向があり、健康食品の購入を少し延ばそうとする人が多くなります。 これは通常の消費行動ですが、高齢者の場合には特に強く現れることがあり、孫が訪問してくる時期には、お小遣いやお土産に費やす金額が増える分だけ、購入数、
Age free岡山25 認知症予防は国民の責務
認知症対策の世界では、以前から2025年問題が叫ばれてきましたが、目の前に迫ってきました(2023年7月現在)。 2025年は認知症の高齢者が700万人となり、65歳以上の高齢者の5人に1人に達すると推定された年だったからです。また、認知症予備群とされる軽度認知障害も同数程度になると考えられています。軽度認知障害になると5年で半数が認知症に進行するとされています。 2025年は団塊の世
エネルギー代謝81 100kcalの運動の計算式
100kcal単位の運動量を知るためには、METS(メッツ)を用いて消費エネルギー量を計算する方法を活用します。METSは運動や生活活動の強度の単位で、安静時を1としたときと比較して何倍のエネルギーを消費したかで活動の強度を示したものです。 消費エネルギー量は、以下の計算式となっています。 「消費エネルギー量(kcal)=体重(kg)×METS×運動時間(h)×1.05(係数)」
噛む噛むeverybody13 歯・口腔の健康の目標
日本人の健康づくりについて、目標値を定めて国民運動として実施しているのが厚生労働省による「健康日本21」です。正式名称は「21世紀における国民健康づくり運動」といって、10年間での達成目標を定めています。 健康日本(第一次)は2000年から2010年、健康日本21(第二次)は2013年から2023年で、第二次の最終評価は2023年5月31日でした。この評価の発表を受けて、令和6年度から健康日