Age free岡山26 フレイルの基準と考え方

フレイルは、加齢によって心身が老いて、衰えた状態を指していて、高齢者に特徴的に表れる状態と一般には考えられています。フレイルは英語の「frailty」をもとにしたもので、虚弱、脆弱、老衰と訳すことができます。

医療業界で用いているフレイルは日本老年医学会が提唱した概念で、「frailty」を単に訳したものではなくて、介入することによって元の状態に戻すことができるという考えがあり、日本独自の用語として「フレイル」を採用した経緯があります。

フレイルは診断基準があって、5項目の基準のうち3項目以上が該当するとフレイル、1項目か2項目が該当するとプレフレイルと判断されます。プレフレイルはフレイル予備群とも呼ばれています。

〔フレイル基準〕
1 体重減少:意図しない年間4.5kg以上または5%以上の体重減少
2 疲れやすい:何をするのも面倒だと週に3〜4回以上感じる
3 歩行速度の低下
4 握力の低下
5 身体活動量の低下

加齢によって筋力が低下してくると、活動が減り、そのために食欲も低下して、筋肉を増やすために必要な栄養素(特にたんぱく質)の摂取量が減っていきます。その結果として筋肉が増えにくくなり、活動量の減少、食欲の低下と悪循環に陥ることになります。

これを予防して、プレフレイルの状態であっても健康的に動き、食べられる状態に戻していくためには、まずは身体活動を増やすことが求められます。従来は高齢者となる65歳から、もしくは目前の年齢から対策を始めればよいとの認識がありましたが、もっと前から始めなければならない状況になっています。

その状態に拍車をかけたのは、コロナ禍の3年間の運動不足と食事の偏りでした。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕