002 栄養素分解のためのビタミンB群

細胞のミトコンドリアの中にあるTCA回路は、糖質、脂質、たんぱく質を燃焼させてエネルギーを作り出す反応回路だと説明されています。燃焼するのは糖質の中のブドウ糖、脂質の中の脂肪酸、たんぱく質の中のアミノ酸ですが、そのままの形でTCA回路に取り込まれていくわけではありません。アセチルCoAとなる必要がありますが、その変化のために多くの種類のビタミンB群が使われます。
糖質がブドウ糖に分解されるときにはビタミンは必要ないのですが、筋肉や肝臓の中に蓄積されているグリコーゲンを分解してブドウ糖にするときにはビタミンB₆が使われます。ブドウ糖はピルビン酸に変化してからアセチルCoAになりますが、ブドウ糖からピルビン酸になるときにはビタミンB₁、ナイアシン、パントテン酸、ビオチンが使われ、ピルビン酸からアセチルCoAになるときにはビタミンB₁、ナイアシン、パントテン酸が使われます。
脂質が脂肪酸に分解されるときにはナイアシンが、脂肪酸からアセチルCoAになるときにはビタミンB₂、ナイアシン、パントテン酸が使われます。
たんぱく質がアミノ酸に分解されるときにはビタミンB₆、ビタミンB₁₂、ナイアシン、葉酸が使われ、アミノ酸からアセチルCoAになるときにはビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂、ナイアシン、葉酸が使われます。
ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂が含まれる食品については前回(001)で紹介しましたが、ナイアシンは肉(特にレバー)、魚に、パントテン酸は肉(特にレバー)、魚に、ビオチンは肉(特にレバー)、魚、卵、豆類に、葉酸はレバーや野菜に多く含まれています。
運動をしてもやせないのはビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂が不足しているせいだと言われてきましたが、他にもビタミンB群も必要だということを知ってほしいのです。