143 入浴後に飲むのは冷たい水か温かなお茶か

入浴して身体が温まったあとで飲む冷たい水は、おいしく感じます。特に入浴で汗をかいたあとには身体の中の水分が減って、喉が渇いた状態になっているので、とてもおいしく感じます。せっかく身体が温まったのに冷たい水で冷やしたら、代謝が下がり、夕食で食べたものをエネルギーとして使いにくくなるということで、お湯や温かなお茶のほうがよいという情報が流れています。
身体が冷えているときには、温かいものを飲むことで身体を温める効果があるのは理解できそうですが、冷たい水を飲んだからといって、入浴で身体の中まで温まって代謝が高まった状態から、急に代謝が下がるところまで身体が冷えるようなことはありません。むしろ一時的に胃の中に冷たい水が入ってきて、胃の反射作用によって、体温を高めようとしてエネルギーが使われるようになります。
反射作用は、胃の中に入ってきたものの温度を、胃の粘膜の神経が察知して、それに対する反応が起こることです。冷たいものが入ってくると身体が冷やされたと判断して、自律神経に働きかけてアドレナリンが分泌されて体熱が作られるようになります。温かいものは入ってきたときには体熱の反応は起こりにくくなっています。
この体温を高めるために使われるのは、すぐにエネルギーとなるブドウ糖なので、血糖値の上昇が少し抑えられるようになります。それによって肝臓で脂肪が合成されるのも抑えられるようになるので、ダイエット効果が得られることになります。お湯は一気に多くの量は飲みにくいものの、冷たい水なら多くの量を飲むことができるので、大量に汗をかいたあとの水分補給のためにも水を飲むことがすすめられます。