286 1分間に100mの早歩き

ダイエットのためには中強度の早歩きでのウォーキングが有効だとされています。中強度というのは会話が続けられる程度のスピードで歩くことを指していて、これは中之条研究(群馬県中之条町)の結果から盛んに言われるようになったことです。65歳以上の高齢者は1日に8000歩の歩行を目標として、そのうちの20分間は中強度の早歩きにすることで生活習慣病が予防できるということから、中強度の早歩きが注目されるようになりました。
20分間をかけて、どれくらいの距離を歩くのがよいのかというと、目標とされているのは2000m(2km)です。1分間に100mのペースで、これは中高年の体力測定の目安と同じレベルです。体力測定では3分間に300mを歩くことにして、60歳以降の女性なら300mでクリア、男性なら345mでクリアとしています。
実施している機関によって差はあり、もちろん身体の状況(生活習慣病、心肺機能、運動器の状態など)によっても違いはあります。しかし、一応の目安としてはわかりやすい目標となります。400mグラウンドなら距離がわかりやすく、時計で計測すれば正確に歩くことはできます。このペースで歩いたときの心拍数、身体の負荷のかかり具合、筋肉への刺激の度合いを体感して覚えておくだけでも効果のある負荷がわかります。
体脂肪の分解効率が高まり、脂肪酸の代謝が盛んになるのは最大酸素摂取量の60〜70%の負荷がかかっているときです。最大酸素摂取量は全力で歩いたり走ったりしたときに体内に取り込める酸素量を指していて、歩くことで60%に達するというとエクササイズの負荷と同じくらいになり、これに達するのは1分間で120mほどのスピードとなります。これは年齢や性別、体力でも異なっており、年代別・性別の3分間の歩行距離は厚生労働省の「健康づくりのための運動指針」に示されています。