DNA Answer14 発達障害と発達障がい

発達障害という名称は、発達障害児にも保護者にも、あまり好ましくない印象があります。発達障害は医学用語であって、診断されたときには障害という言葉が使われます。法律用語でもあって、発達障害児を支援する根拠となっている法律は発達障害者支援法です。

医療の世界では、こういったことに配慮して、「神経発達症」という呼び方をされるようになってきているものの、正式な医療用語ではないことから神経発達症と記載するときには発達障害と併記することとされています。

医学や法律で定義されることについては「発達障害」を用いて、その障害がある人については「発達障がい」を使うようにする例が増えてきています。発達障がい者や発達障がい児という使い方です。
自治体や公共団体などが先駆けて使うようになりました。障害という用語は、“害”をイメージさせるので避けるという感覚です。

用語としてだけでなく、団体名でも「発達障がい」を冠するところが増えてきました。

団体名は、それぞれの考えを反映するので、周囲から何らかの意見を言うべきではないと考えています。しかし、DNA認定講習では「発達障害」を用いています。これは医学的なことを扱うからだけではありません。

障害は、障害者が抱えている状態を示すことではなく、障害がある人が障害の苦しさを感じて、そのために行動や生活が制限されていることが障害だと考えているからです。

発達障害者(18歳未満は発達障害児)は、発達障害があって、社会的障壁によって本人が望まないような状況が発生していることが問題であって、社会的障壁がなければ発達障害があっても発達障害者にはならないのです。このことは発達障害者支援法の第2条の中の定義として明記されていることです。
〔発達栄養指南:小林正人〕