安全性は多方面から確認
安全性では、有害物質が含まれていないか、どのような食品添加物が、どれくらい使われているかも必要な情報です。サプリメントは加工食品であるので、食品添加物が使われたものもあります。また、素材を固まるための賦形剤、粉・液体を入れるカプセルはサプリメントの成分ではないものだけに、その材料も知っておきたいものです。
有効成分であっても、その量によっては安全性に問題が出ることもあります。また、使い続けることによって徐々に害が出るものの少なからずあります。
安全性として、飲み合わせも重要です。一つひとつの成分では問題がなくても、一緒に使うことにとって医薬品の副作用が出ることもあります。
以前は安全性に問題なしとされた素材や製品であっても、成分が多い部位が使われ、成分の減少が少ない優れた加工法によって成分が濃くなり、吸収性が高まることによって身体に害が出ることも見られるようになりました。また、以前は医薬品との飲み合わせによっても特に問題がないものであっても、成分の凝縮などによって健康被害が出た例もあります。
安全性の試験では、機能性の試験と同様に対象者が重要になります。機能性表示食品には、疾患に罹患している人のほかに、未成年者、妊産婦(妊娠を計画している人を含む)、授乳婦を対象として開発されたものではないことが記載されています。これは安全性試験が子供や妊産婦、妊娠の可能性がある女性では行われていないからです。
さらに、サプリメントはアレルギー体質の人でも安全性試験はされていないので、アレルギーの不安がある人には安全であるとは言いきれないということです。
安全性の問題というと、有害物質が含まれていることだけでなく、有効性を高めるために医薬品成分が含まれていることなどが海外のサプリメントで指摘されることもあります。それさえなければサプリメントは安全であると発表している機関もありますが、本来は安全な素材・成分であっても組み合わせによって害が出ることがあります。
サプリメント成分同士の飲み合わせ、サプリメント成分と医薬品との飲み合わせについての情報は、ナチュラルメディシン・データベース(Natural Medicine Database)に掲載されています。これはアメリカを初めとした英語圏で医療機関や自治体で使用されているサプリメントのデータベースで、日本対応版は一般社団法人日本健康食品・サプリメント情報センターによって提供され、日本医師会の会員に無料で閲覧提供されています。