Medical Diet186 エネルギー源の消化・吸収時間の違い

エネルギー源の糖質、脂質、たんぱく質は、胃で消化されて、小腸で吸収されて、血液中に入ってから身体の必要なところに運ばれていきます。脂肪は胃から分泌される消化液では足りずに、十二指腸から分泌される胆汁によっても分解が進みます。

“胃で消化”というのは正式には違っていることになるものの、全体的には胃で消化され、小腸で吸収されると言う印象でよいかと思います。

食品の特徴と栄養素(糖質、脂質、たんぱく質)の特性、体内の消化・吸収の仕組みによって、吸収されるまでの時間が違っています。個人差があるので、確定的なことは言えないものの、大雑把に言うと糖質が約2時間、たんぱく質が約4時間、脂質が約6時間となっています。

ダイエットのためには脂質が多い食品は避けるように言われます。食品の脂質は中性脂肪になっていて、中性脂肪は脂肪酸3つが結びついた形をしています。脂肪酸のエネルギー量は1gあたり約9kcalです。糖質とたんぱく質は約4kcalなので、2倍以上のエネルギー量があるからです。

だからといって脂肪が含まれていない食品を食べない、量を極力減らすということをしていると、完全に消化されるまでの時間が短くなり、空腹を早く感じるようになります。空腹を感じるまでの時間が短くなると、我慢ができなくなって、どうしても他のものを食べる、ついつい多くの量を食べるということになりがちです。

糖質を中心にした食事では、空腹に耐えなければならない時間が長くなります。

こういった消化にかかる時間の違いを理解していれば、少しは脂肪を摂取して空腹を感じにくくするという方法が有効だということがわかります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)