Medical Diet191 沖縄の“おかず”と“みそ汁”の恐ろしさ

出された料理は残さないというのは食事のマナーとしては正しいとしても、残すことができない性格はダイエットには大きなマイナスになりかねません。残さないように考えて注文すればよいものの、メニューを見ただけでは内容も量も想像できないものだと、大変なことになります。

その大変なことを経験したのは沖縄の食堂でのことでした。観光客が大衆食堂に入ることはなくても、ビジネスでの訪問となると取引先の人と一緒に地元の方が普段から利用している食堂に入ることもあります。一緒に食べる時間がなくて、先に食堂に入ることになったときのことです。

他の地域にもあるメニューなら内容が違うということはないものの、沖縄には独特の文化があって、メニューに「おかず」と書かれています。おかずというのは主菜のことで、いわゆるメインディッシュで、このほかに主食(ご飯など)、副菜(汁物や小鉢、漬物など)を注文するとセットで食べることができます。

そこで、おかずに、ご飯(ライス)、「みそ汁」を注文したところ、お店の人から「大丈夫ですか?」と聞かれました。なぜ、そんなことを聞かれるのかわからないまま注文をしたら、お店の方は“痩せの大食い”と思ったようです。

というのは「おかず」にはライスとみそ汁がついてきて、それ以外にライスの単品、そして「みそ汁」が定食の形で出てきました。みそ汁は大きな器(ラーメン丼並)に野菜や魚などがたっぷりと入った汁物で、これにライスと漬物でセットになっていました。

ライスが3人前、それも大盛り状態だったので、普通の人ではないと思われても仕方がないことだったのです。

「おかず」は、その店の定番料理の定食で、野菜炒めが中心のところもあれば、野菜炒めが少しだけで肉や卵の料理、野菜炒めの代わりにサラダがついた肉料理という店もあります。

「みそ汁」も各店のオリジナルですが、分量が多いことは共通しています。

せめて「おかず定食」「みそ汁定食」と書いてあれば間違いはしなかったと思うのですが、出てきたものは残せない性分が災いして、仕事の後に誘われたお酒の席ではほとんど食べられなくて、“締めのステーキ”も断らなければならなかった恐ろしくも悲しい思い出話でした。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)